障害児の中学校進学
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。
以前、障害をお持ちのお子様の小学校進学についての記事を投稿いたしました。
私の弟は小学校までは普通学校の特別支援学級に通っていました。
小学校卒業後は、地域にある特別支援学校の中等部、高等部へと進学しています。
中学校、高校への進学のタイミングで、お子様の進路に悩まれる方も多いのではないでしょうか。
私の家族も、中学校進学、そして高校卒業のタイミングで進路に頭を悩ませていました。
そこで、本記事では
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中学校進学を特別支援学校にするか
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小学校との違い
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まとめ
の順で気を付けるポイントを紹介します。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
目次
中学校進学を特別支援学校にするか
中学校進学のタイミングで大きな環境の変化が起こることになります。
小学校までは普通学校に通っていても、中学校からはどうしよう?という不安が出てくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、私の家庭でも弟の進学のタイミングでは家族会議が開かれました。
幸いなことに、私が弟の進学予定の中学校に通っていたため、内情を理解して、判断材料にすることができました。
また、支援学級でできたママ友ネットワークから、母も普通学校と特別支援学校の両方の評判を聞くことができていました。
上記に加えて、中学校進学を普通学校にするか、特別支援学校にするかを判断する材料として、
- 兄・姉が実際に通ってみた経験
- 支援学級での先輩ママ友の評判
- 放課後デイなどの福祉サービスでのママ友・職員の評判
- 学校の先生の評判
- 進学予定先の学校の先生の評判
- お子様の発達特性、学力面で必要な配慮
などが考えられます。
特に、進学予定の学校には、見学を申し込むことが可能な場合があります。
気になる場合は、事前に連絡を取ったうえで、実際にお子様と見学してみるのもよいかもしれません。
小学校との違い
次に、障害児の小学校進学と中学校進学の違いにはどのようなものがあるのでしょうか?
教育内容やサポート体制・学校生活の変化などに着目してみました。
教育内容の変化
中学校進学に伴い、学習内容が高度になります。
特に、普通学校の通常級で行われる授業は受験を意識したものになるため、進度についていけない場合は、特別支援学級で授業を受ける時間が増えてくるでしょう。
一方で、受験では障害に応じた合理的配慮が受けられる可能性もあります。
お子様の障害の特性に応じて、学習面でのレベルが合っている学校を選ぶことで、高校以降の選択肢が広がるかもしれません。
サポート体制・学校生活の変化
上述の通り、学習内容の違いから、通常学級と特別支援学級との時間的な分離が進む可能性があります。
また、子どもたちが思春期を迎えるタイミングでもあり、障害に対する疑問や反発が周囲からなされる場合もあります。
さらに、小学校から中学校に進学する際に、学校側で十分な引継ぎが行われない場合もあるようです。
このように、支援体制の移行や周囲の子供たちの発達段階によって、小学校のころとは異なる環境に置かれることが考えられます。
しかし、現在ではICTの活用なども行われつつあり、少しずつ中高でもサポートが充実してきています。
周囲の評判や、担任から次の学校への引継ぎが十分かどうかなどを確認すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、障害を持つ子の中学校進学についてまとめました。
進学という転換期は、障害の有無にかかわらず、頭を悩ませることの多い時期です。
ご家族だけで悩むのではなく、周囲の人のサポートを受けられることもあります。
私の弟の場合も、小学校や放デイでのつながりが、高校在学中の今も続いています。
エコルドが同じ悩みを共有できる、相談できるコミュニティの一つになることができれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
- 成田実胡,石田祥代,2023,「知的障害児と家族のライフステージによる 支援ニーズに関する一考察」,千葉大学教育学部研究紀要(71),27-37
- 杉岡,千宏, 橋本,創一,林,安紀子,2017,「発達障害・仲間はずれ・不登校傾向のある中学生の援助 要請行動に関する調査研究」,東京学芸大学紀要. 総合教育科学系,68(2),391-397
- 平林ルミ,2017,「特別支援教育における合理的配慮の動向と課題ー学習障害のある子どもにおけるICT活用の現状に焦点をあててー」,教育心理学年報(56),113-121
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