こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。

障害をお持ちのお子様がいらっしゃる場合、特別支援学校に進学することを考える方も多いのではないでしょうか。
私の弟は、中等部・高等部共に特別支援学校に在籍しています。
しかし、入学するまで、特別支援学校での生活がどのようなものか、ほとんど知りませんでした。

そこで、本記事では特別支援学校での生活について、スケジュールに着目してご紹介いたします。

＊本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。

一日のスケジュール

一口に特別支援学校での生活といっても、ほとんどは個別のニーズに合わせて調整されており、モデルを提示することは難しいです。
そこで、まずは一般的な一日のスケジュールからご紹介いたします。

一般的な時間の流れは、普通学校と変わりありません。

以上のように、学校ごとに細かい部分での前後はあるものの、基本的にはご家族の皆様が経験された学校生活と同じように一日を過ごします。では、以下ではそれぞれの時間の過ごし方について、少し詳しく見てみましょう。

1登校・朝礼

特別支援学校の登下校では、送迎バスなどのサポートがあることが一般的です。
お子様の特性によっては、お一人で登下校をされる場合もあるようです。
ただ、特別支援学校は地域に限られた数しかないため、公共交通機関を利用しての通学になります。

送迎バスを利用する場合は、自宅付近の集合場所でバスを待ち、登校します。
私の弟の場合は、小学校まではお友達と一緒に自力通学ができていたので、一人で集合場所まで登校しています。
お子様によっては、保護者による集合場所までの送迎が必要な場合もありますが、特別支援学校の先生と相談して決定することができます。

朝礼・朝の会・朝活と呼ばれる、登校直後の時間では、自分の学級で挨拶や体調のチェックなどを行います。
見通しが立つことが安心につながる生徒のために、スケジュールを朝に一緒に確認する場合もあるようです。
この基本となる教室のメンバーも少人数となる場合が多いです。

2．授業

特別支援学校の授業は、生徒の習熟度や障害の特性といったニーズに合わせて展開されます。
いずれの授業も少人数で行われる場合が多いですが、進度は普通学校に比べて遅めとなります。

普通学校との違いは、生徒が必要とする特別な支援プログラムが実施される点です。
言語療法、身体療法、聴覚支援、視覚支援、社会的・感情的スキルの開発などが主に行われます。

上記の学習内容については、次回の記事にて詳しくご紹介する予定です。

3．給食

給食の時間は、基本的には普通学校と差がありません。
ただ、給食を食べる際に介助が必要な場合や、音などに配慮が必要な場合に対応されます。
メニューなどは学校によって異なるため、必要であれば直接学校に聞いてみるとよいでしょう。

4．掃除・放課後・下校

食後、または放課後に掃除が行われます。
各々でできる役割を分担してなされる場合が多いようです。

最後は朝礼と同じホームルームにて、終礼・終わりの会などが行われます。
挨拶や連絡事項の他に、今日のできごとを共有する学校もあるようです。

その後は放課後となり、行きと同じように送迎バスで帰宅します。
時間帯は15時前など、一般的な学校より早めな場合もありますが、地域差があります。

また、放課後デイサービスの送迎により、そのまま放デイを利用するお子様もいらっしゃいます。
私の弟も週に数日は放デイを利用しています。
夏休みなどの長期休暇でも放デイを利用する方が多いようです。

5．その他

普通学校と同じように、体育大会や宿泊研修などの行事も行われます。
必要な配慮や生徒の個別のニーズに合わせて実行されるので、安心して楽しめているようです。

また、時期に応じて保護者との面談も設けられています。
保護者のネットワークを通じて、お休みの日に一緒に出掛けることもあるようです。

以上のように、特別支援学校での生活は、普通学校を基本に、個別のニーズに合わせて運営されています。

次回は学習内容についてご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

【参考文献】
丹羽克文,郷右近歩,「特別支援学校におけるスケジュール表を用いた指導の現状と課題」,2018,三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践(69),129-132