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字をきれいに書きたいお子様への支援の一例

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こんにちは。保育士のつばきです。

「字を丁寧に書いてほしいのに…」

お子様の様子を見てお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

実は保育士をしている私本人も、手先の不器用さがあり「字が汚い」、「ふざけているのか?」と心無い言葉をかけられた一人でもあります。

今回は自分の経験や自分の関わった子ども達の経験をもとに要因と支援方針を考えていきます。

 

①お子様の字がきれいに書けない場合に考えられる要因

 

では早速、お子様の字がきれいに書けない理由を考えていきましょう。

様々な要因があると思いますが、私自身や私の見てきた子ども達で多かった事例を書いていきます。

 

要因⑴DCD(発達性協調運動障害)で手先が不器用である。

ボールをける、ボタンを留めるなどの複雑な手や足の動きを必要とする動作が苦手、手先が不器用なお子様の中には、DCDと呼ばれる障害の影響がある可能性があります。

DCDの為、手先の末端を上手に使うことができず、字がきれいに書けない可能性もあります。

 

参考:発達性協調運動症のある子どもの書字困難の特徴と感覚統合療法の効果―13例のケースシリーズを通して―

 

要因⑵力のコントロールが苦手で、筆圧が強くなったり弱くなったりする。

力のコントロールが苦手な為、筆記用具を使って文字を書く際に、字がきれいに書けない可能性もあります。例えば、お友達に鬼ごっこやドロケイ等の遊びの中で、バシッとお友達をタッチしたつもりが、お友達には「強いよ、痛いよ」と言われてしまい、ケンカになる背景に、固有感覚が上手に使えておらず力のコントロールが苦手なお子様もいます。

 

要因⑶体幹の弱さや体の中心線が出来ていない(正中線交差の課題がある)ので着席姿勢が良くない。

 

発達障害のお子様の中には体幹が弱かったり、体の正中線が出来ていないため、左右対称な動きや複雑な動きがやりにくいお子様や、体に歪みがあるように見えるお子様もいます。

体幹の弱さによって、姿勢が崩れ、椅子に座っているだけでも体を維持して、文字を書いたり、考えたりすることが難しいお子様もいます。

 

参考:発達障害の理解と作業療法 富山県作業療法士会 発達部会

 

要因⑷視空間認知の捉え方があいまいであるため、文字を書く際のバランスが難しい。

文字を書くとき、例えば漢字を書く際は「へん」と「つくり」のバランスをよく見て書く必要があります。それらがバランスが取れずにどちらかが大きすぎたり、小さすぎる場合、視空間認知と言い、目で見て与えられた空間にどれくらいの大きさで書くべきものなのかある程度目星をつける力が弱い可能性があります。

 

要因⑸注意が分散しやすく、すぐに色々なところに目移りし、書字に集中できない。

 

注意が分散しやすいお子様もいるかもしれません。例えば、猫は、目についたものにパッと手を出したり反応したりすると思います。猫のような目についたものにパッと注意がそれてしまう視覚(目で見る力)がやや過敏なお子様もいるかもしれません。

 

いかがでしたか?実は私も書字がいまだに汚いのですが、今あげさせていただいた5つの要因全てを含んでいます。その為、様々なツールを使ったり、自分自身でトレーニングをすることで緩和しています。

 

「我が子はどこに課題があるんだろう…?」

 

このようにお悩みの方に考えるヒントとしてチェックシートがネット上に公開されています。

以下のチェックリストを参考に考えてみるのも良いかもしれません。

 

参考:「身体面の課題チェックシート」 活用の手引き・実践事例集

 

続いて、実際に字がきれいに書けないお子様に向けた支援の一例をご紹介します。

 

 

②字がきれいに書けないお子様の支援の一例

 

字がきれいに書けないお子様への支援の一例を以下に紹介していきます。ただし、お子様の状況やお子様の性質によって支援の方法が変わる可能性もあるので、気になる方はいつでも弊社にご連絡ください。お子様に合わせた支援を提供します。

 

 

要因⑴DCD(発達性協調運動障害)で手先が不器用である。に対する支援の一例

 

手先が不器用なお子様に対しては、手の感覚を様々な刺激を通して高める事、日常生活で手を使うこと、便利な道具を使うことが考えられます。

 

1.手の感覚を刺激するような感覚遊びやブロック、積み木など指先を使った遊びを行うことも良いでしょう。粘土やスライム、フィンファーペイントなどの感覚遊びや、ブロックや積み木、プラレールなどの指先を使う遊び、ピアノやギターなどの楽器演奏などを通して指先を刺激すると良いでしょう。

2.日常生活の中で指先を使う経験を増やすことも良いでしょう。保護者様のボタンをお子様に外してもらう、プチトマトのへたをお子様に取ってもらう、お子様が使うふりかけを自分で袋をちぎってもらう等、お子様が達成感を得ながら指先を使う刺激を増やしていくと良いでしょう。

3.指先が上手に使えない際に、鉛筆を使って、筆記用具を使う際に使いやすいツールを使うのも良いかもしれません。

参考:手先が不器用な方への支援 ~筆記具・文房具編~ 岐阜特別支援学校  地域支援センター通信 No.3

 

 

要因⑵力のコントロールが苦手で、筆圧が強くなったり弱くなったりする。に対する支援の一例

 

力のコントロールが苦手なお子様に対しては固有感覚を育んでいくような活動を意図して入れていくことも効果的です。

 

固有感覚を刺激するような遊びとして、ボルダリングやアスレチックを体幹も使いながら登っていくことを通して固有感覚が刺激されます。

 

 

要因⑶体幹の弱さや体の中心線が出来ていない(正中線交差の課題がある)ので着席姿勢が良くない。に対する支援の一例

 

体幹の弱さがあり、着席姿勢でお子様自身がエネルギーを使い、書字の部分までお子様が気にできず、字が乱れてしまう場合、座りやすいように椅子を調整することも考えられます。具体的には、椅子ではなく椅子にマットをしいて滑りにくくしてお子様の着席がしやすい環境を調整することなども良い支援です。加えて、姿勢保持・着席姿勢を維持する練習の為にバランスボールに乗って姿勢保持する練習を行う場合もあります。

 

要因⑷視空間認知の捉え方があいまいであるため、文字を書く際のバランスが難しい。に対する支援の一例

 

視空間認知の捉え方があいまいなお子様への支援方針の一例として、カラーマスを使って位置関係を理解するような支援も考えられます。

 

また視空間認知の機能を向上させるためにビジョントレーニングを行うことも効果的です。

 

参考:カラーマスノート

 

要因⑸注意が分散しやすく、すぐに色々なところに目移りし、書字に集中できない。に対する支援の一例

 

注意が分散しやすいお子様には、教材の提示の仕方を工夫することも良い支援の一つです。

その子どもが文字を各部分を四角で囲って見えやすくすることで、書く場所に注意して書くことが出来ます。

 

また部屋もごちゃごちゃものを置くのではなく、その場面で使う教材や筆記用具のみを出して書くようにすると良いでしょう。

 

いかがでしたか?

今回ご紹介したのはあくまで一例です。

お子様の状況や場面に応じて私たちも支援方法を変えていきますので、何かお困りの点がありましたらいつでもご連絡くださいね。

 

③まとめ

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

今までご説明したように文字をきれいに書けない要因と、書けるようになる為のトレーニング方法や療育方法もいくつもあります。お子様の状況や性質に合わせて使ってみてください。

その一方で、大人になれば、文字を実際に書く場面よりも、パソコンやIT機器を使いこなすことで、書字がきれいに書けなくても、人に読んでもらえるような書類を作ることも自分の気持ちを伝えることもできます。その為、どうしても文字が上手に書けない場合は、パソコンで入力するのも1つの手だと思います。

 

ここまでの内容をまとめます。

 

①お子様が文字をきれいに書けない理由として様々な理由があります。チェックリストやお子様の行動から要因を分析してみると良いでしょう。

②お子様の文字がきれいに書けない理由に対してそれぞれ支援方法があります。分かりづらければ、ぜひ弊社にもご相談ください。

③文字がきれいに書けない場合、IT機器を使いながら学んでいくことも一つの手です。

 

※現在弊社では施設見学等を保護者様のご都合に最大限に合わせながら実施しております。お子様それぞれにあわせて子育てのお悩み事や不安な点についてもご相談にのらせていただいています。

何かありましたらご連絡ください。

※体験療育に関してはすでにご利用のお子様もいますので、枠を調整してのご提案となります。利用希望時間によってはすぐにのご案内が難しい可能性もあります。あらかじめご了承ください。

 

参考文献:

白石純子・中川瑛三・加藤希歩・新井紀子・渡邉静代・岩見美香・家森百合子(2021)発達性協調運動症のある子どもの書字困難の特徴と感覚統合療法の効果―13例のケースシリーズを通して―LD研究 第30巻 第1号58-72

発達障がいのある児童・生徒への – 学習および学校生活援助 作業療法士からの提案

発達障害の理解と作業療法 富山県作業療法士会 発達部会

 

 

 

 

 

 

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