心地よい刺激を通して多様な刺激に触れ、感覚過敏を緩和する|ブックレビュー②
こんにちは。保育士ライターのつばきです。
今回は療育で生かせそうな良本を見つけたのでご紹介します。
本のタイトルは、「子どもの“困った行動”が減っていく?親子で楽しく解決!遊びのレシピ集」です。
目次
本の著者と本のご紹介
こちらの作者は子どもと関わる仕事を10年以上されている保育士の「まさ~先生」です。
元々はプロのミュージシャンを目指したまさー先生が様々なきっかけやチャンスを経て保育士になり、現在では児童発達支援事業所で働いています。
「まさ~先生」が10年以上お子様と向き合った中で実際に効果的な支援の方法などがこちらの作品には記載されています。
今回は「感覚に過敏さがある」お子様に向けた支援について考えていきます。
感覚に過敏さがあるお子様への支援
あなたはこんな子を見たことはありませんか?
「工事現場の音や、他児の泣き声や悲鳴が苦手で耳をふさいだり、不安そうな顔をする子」
「抱っこであやしたときに、不安疎な顔をしたり、のけぞってしまう子」
以上のように小さな刺激でも、お子様によっては不安になるケースもあります。
これらの行動の背景に「感覚過敏」をもつお子様である可能性があります。
「感覚過敏」とは、目や耳等の感覚器官を通して受けた感覚を過敏に感じるような性質で主に自閉症のお子様によく見られるケースがあります。
感覚過敏の中には、身の回りの生活音が自分の生活に支障が出るほどうるさく感じる「聴覚過敏」、体に何かが触れることが不快に感じる「触覚過敏」があります。
※感覚過敏には、他にも、少しのにおいの変化も気になる「嗅覚過敏」、味や食べ触りや触感が気になる「味覚過敏」、特定の色の明度をまぶしく感じる、明るさや色によって目が痛くなるように感じるような「視覚過敏」等様々な感覚過敏があります。
感覚過敏をお持ちのお子様に対して、支援者の中には「感覚になれたら良いから、しばらく同じ音を聞かせてみよう」、「苦手な感覚にも触れてもらおう」と考える方もいます。
その関わりをすることで、お子様によっては嫌な記憶が残ってしまう可能性があり、より苦手な感覚に触れないという悪循環に陥る可能性があります。
その為、「まさ~先生」感覚過敏のお子様に対して、まず支援者側が心理的な安全性をお子様に感じてもらえるように関わる事で、嫌な感覚にさらされる事に結果的になっても、お子様が心穏やかにいられるようにすることも大切だと言われています。
具体的に説明すると、例えば聴覚過敏のお子様は外界の音が不快に感じる可能性があり、支援者が努力しても、変えられない部分(例えば外の天気が悪く雷がなっている場合、音が気になるかもしれません。)がある為、まずはその不快な環境にさらされても耐えられるだけの、安心安全な感覚を子どもがまずは持てるように支援していきます。
確かにお子様にとって、不快な感覚がある時は不安になったり、気持ちもネガティブになりがちです。その際、信頼できる保護者様や支援者がいることで安心し、嫌な気持になりにくい効果もあるかもしれません。
それだけでなく、聴覚過敏をお持ちのお子様には、前庭覚を育んでいることで、感覚統合が図られ、聴覚過敏が出にくくなり、お子様本人にとって心地よい音を選んでキャッチできる可能性があります。
聴覚過敏という、過敏性にのみフォーカスするのではなく、感覚統合も見据えながら支援を行っていきます。
「まさ~先生」も聴覚過敏のある子に対して、リトミックを用いた支援方法、触覚過敏がある子に対して、お子様への触れ方や感覚遊びについて紹介していました。
エコルドでの療育での生かし方
実際にエコルドではどのように感覚過敏のお子様にアプローチしているのでしょうか?
実際にエコルドグループの事業所では、水ビーズを使った感覚遊びや小麦粉粘土を用いた療育を行っています。
参考:感覚と感覚統合
お子様の「楽しい」、「できた」を引き出し、楽しさの中で感覚過敏を緩和していくようなアプローチを行い、それに加え、前庭覚を育んでいくことで感覚統合を促していきます。
私たちの拠点でも、他拠点の療育アイデアを生かしながら、感覚過敏にもアプローチしていきます。
エコルド川口教室です
埼玉県川口市で児童発達支援・放課後等デイサービス多機能型事業所を運営しております。
未就学および小学生低学年の課題のあるお子さまに「療育×テクノロジー」をテーマに療育をご提供しています。
エコルドグループの特色である未就学のお子さまを平日17:30までお預かりしていることで保護者さまから喜ばれております。
お問い合わせ、ご見学申し込み、ご相談だけでもお気軽にどうぞ
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