障害児の小学校進学
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。
障害を持つお子さんがいらっしゃれば、
- 小学校進学を特別支援学校にするか
- 普通学校の支援学級にするか
- 普通学校の通常学級にするか
など、小学校進学にあたって様々な悩みが出てくるのではないでしょうか。
そこで、本記事では障害を持つ子ども、特に発達障害、自閉症、知的障害を持つ子どもの普通学校への小学校進学について
「普通学校か特別支援学校か」「普通学校に通学するメリット」「普通学校に通学するデメリット」「まとめ」
の順でご紹介します。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
目次
普通学校か特別支援学校か
小学校進学の際に、一番大きな選択となるのは、普通学校への進学にするか、特別支援学校への進学にするかという点ではないでしょうか。
普通学校では、障害の有無にかかわらず、様々な生徒と学校生活を送ることができます。
それに対し、特別支援学校では、少人数で個々の障害に特化したサポートを受けられるようになります。
以下では、前者の普通学校に障害児が通学することのメリット・デメリットをまとめました。
普通学校に通学するメリット
普通学校へ小学生の間に通学することには、次のようなメリットが考えられます。
- 障害の有無にかかわらず、様々な友人と交流する機会がある
- サポートが必要な部分のみサポートしてもらい、基本は普通学校と同じ教育が受けられる
- 周囲の子どもたちや先生にとっても障害を理解してもらうチャンスになる
普通学校への通学により、障害を持たない子どもたちとも関わる機会が多くなります。
その結果、周囲にも障害への理解を促す可能性があるとされています。
また、障害児自身も、より社会に近い環境で社会性を育むきっかけを得ることになります。
普通学校の中でも、通常級より少人数で、個別のニーズに合わせた支援が受けられる支援級がある学校もあります。
支援級では、特別支援学校のような細やかなサポートが行われることもあり、通常級と上手く使い分けながら学校生活を歩む子どもたちもいます。
私の弟も、小学校時代は支援学級に所属し、周囲の子供たちからもサポートされながら楽しく過ごせていたようでした。
さらに、近年では、インクルーシブ教育(マイノリティを排除しない教育の形)の需要も高まっています。
そのため普通学校においても、障害への理解を深める機会があり、周囲の子どもたちや先生からの理解を得やすくなっているようです。
普通学校に通学するデメリット
普通学校に通学することは、次のようなデメリットが考えられます。
- 教員の人数や知識の不十分によるサポートの不足
- 設備が十分に整備されていない
- 子ども自身のストレスや、周囲の子供たちとの孤立
普通学校は、障害をもつ子供たちを想定して作られている特別支援学校に比べて、教育カリキュラムや設備が不十分である可能性があります。
また、教員や周囲の子供たちに上手く障害を理解してもらえない場合は、孤立してしまう場合も考えられます。
先ほど、私の弟は上手く普通学校で仲良く過ごせていた、と記しました。
しかし、実際には支援級は通常学級と異なる階に位置するため、どうしても物理的な疎外感は否めませんでした。
ただ、学校によっては障害者に対する理解を深められるように、交流の時間を設けるなど工夫して運営されています。
私の弟の場合も、休み時間に遊びに連れ出してくれる子や、掃除を教えてくれる姉御肌な女の子たちがリードしてくれていました。
普通学校によって、障害へのサポート体制には差があります。
ぜひ、進学予定の学校には、お子様とご一緒に見学へ伺ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の記事では、障害を持つ子どもが普通学校に通うことのメリットとデメリットをまとめました。
やはり、障害児支援に特化した特別支援学校の方が、サポート体制は充実していると考えられます。
しかし、通常学級でしかできない経験があるのも、また事実です。
お子様の障害の特性や、性格、そして進学する可能性がある学校のサポート体制をよく考慮にいれて、検討することが大切なのではないでしょうか。
また、弊社においても、お子様の障害の特性に気づき、その特性と付き合っていけるようにサポートを行っております。
小学校進学の前後で、お子様とのコミュニケーションを大切に、少しでもお力になれれば幸いです。
お子様の幸せと、健やかな成長を第一に、素敵な小学校生活が送れることを願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
- 熊谷亮,國吉涼花,2023,「小学校の通常学級における障害理解促進のための取り組みに関する調査研究:特別支援教育コーディネーターへの質問紙調査を通して」,宮城教育大学紀要,171-179
- 山本希代子,2023,「通常学級のインクルーシブ教育における多職種連携体制の課題ー保護者と教員の意識の差異に着目してー」,日本福祉大学大学院福祉社会開発研究18,63-74
エコルド川口教室です
埼玉県川口市で児童発達支援・放課後等デイサービス多機能型事業所を運営しております。
未就学および小学生低学年の課題のあるお子さまに「療育×テクノロジー」をテーマに療育をご提供しています。
エコルドグループの特色である未就学のお子さまを平日17:30までお預かりしていることで保護者さまから喜ばれております。
お問い合わせ、ご見学申し込み、ご相談だけでもお気軽にどうぞ
前の記事へ
次の記事へ