きょうだい児に家族ができるサポート
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
皆さまは「きょうだい児」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
きょうだい児とは、兄弟に障害のある子を持つお子様のことを指します。
私自身も、3兄弟の長女で、末っ子がダウン症を持っているため、「きょうだい児」に当たります。
今回は、きょうだい児はどんなことに悩むのか、そしてきょうだい児への支援について、私の体験も交えながらご紹介します。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
目次
きょうだい児の悩み
きょうだい児には、どのような悩みがあるのでしょうか。
真っ先に挙げられるのは、愛情が障害児にばかり向けられていると感じてしまうことです。
もちろん、実際にそれぞれのお子様にかける愛情が偏っているという意味ではありません。
しかし、どうしても障害のあるお子様に、時間や注意をかけざるを得ない時もあるのではないでしょうか。
私自身も、ダウン症の弟の身体が弱く、幼少期は入退院を繰り返していたために、親との時間が弟が産まれる前よりも少なくなったと感じていました。
他にも、
- 障害を持つ兄弟の世話をしなければならない
- 周りの友達からの目が気になる、などがあげられています。
では、きょうだい児のこのような悩みに、家族ができるサポートは何があるのでしょうか。
きょうだい児に家族ができるサポート
先述のように、どうしてもきょうだい児と関わる時間が取れなかったり、きょうだい児自身が周囲に対して葛藤を覚える場面もあると思います。
まずは、きょうだい児とも十分な時間が取れるように
- コミュニケーションを積極的に取る
- 障害を持つ兄弟への気持ちを否定せずに受け止める
- 障害を持つ兄弟とのレスパイトを考えていく
などが考えられます。
親だけではなく、きょうだい児自身も、兄弟の世話をする時間も多くなります。
それゆえに、兄弟や親に対する不満、周囲の友達との関係づくりに不安を抱くこともあります。
この場合は、周囲の大人がしっかりときょうだい児の話に耳を傾ける姿勢を持つことが大切です。
また、きょうだい児が理解できる程度に、障害についての説明をしていくことも効果的です。
大きくなれば、どういうサポートが必要なのかも合わせて伝えていくと、より安心できるでしょう。
そして、時間づくりのきっかけとなるのが、障害を持つ兄弟とのレスパイト訓練です。
レスパイトとは、介護を担う人が一度当事者から離れ、休息する時間を持つことで、健康的に介護に取り組めるようにすることを指します。
具体的には、放課後等デイサービスやショートステイ、ガイドヘルプなどの福祉サービスを利用することが考えられます。
介護する側の急速になることはもちろんですが、家族以外とのかかわりを通じて、障害児自身の社会性や自立を支援することにも繋がります。
さらに、きょうだい児自身や、親のサポートとして、ピアグループに参加することもリフレッシュになります。
ピアグループとは、きょうだい児同士でのコミュニティや、障害児の親のグループなど、同じ状況にいる人々が集まる自助グループを指します。
現在では、オンライン上でのコミュニティも多数存在するため、自分に合ったコミュニティを探すことが容易になりつつあります。
ピアグループに所属することで、悩みを相談したり、情報交換をしたり、たわいのない話をしたりすることができます。
また、きょうだい児と家族だけの時間を取れるようにサポートする団体もあるため、ニーズに沿ったグループを選ぶことも可能です。
情報交換の中で、より自分たちの家族に合った支援を知り、適切なカウンセリング等にもピンチの際には頼れる環境を作っておくと安心です。
まとめ
今回は、障害を持つ兄弟がいる、きょうだい児にスポットを当て、その支援についてもまとめました。
私自身もきょうだい児でしたが、幸いにも親戚やママ友に支えられて、さみしい思いをせずに大人になりました。
今でも弟の世話をすることはありますが、適度な距離感で接することができています。
みなさまも周囲に頼れる方がいらっしゃる場合は、お互いに負担にならない程度に頼る勇気も大切です。
また、周囲だけではなく、近年では様々なサポートが充実しています。
福祉サービスを利用する中で、職員さんにもアドバイスをもらえるかもしれません。
お気軽にお尋ねくださいね。
【参考文献】
⑴「障害のある子どものきょうだい児を育てる親の悩みに関する質的検討ーアンケートの自由記述分析ー」、阿部美穂子ら他3名、2022、山梨県立大学看護学部・看護学研究科研究ジャーナル⑻‐1、11‐2
⑵「知的に遅れのない発達障害児とそのきょうだい児を育てる母親のきょうだい児に関わる育児観と関わりに関する一考察」、山本冴織、吉岡恒生、2022、障害者教育・福祉学研究18、15‐22
⑶「きょうだい児支援のあり方:家族とともにある成長を支えるジョイジョイクラブの実践記録」、釈永千明ら他3名、2018、教育実践研究:富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要13、151‐157
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