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癇癪(かんしゃく)の支援方法の伝え方

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こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。

今回のテーマも前回に引き続き、「癇癪(かんしゃく)」です。
(以下、「癇癪」と表記します。)
前回の記事では、癇癪とは何か、その主な対処法を4つお伝えしました。

癇癪中のお子さまは、
「とにかくわかってよ!!」
「しんどいんだよ!!」
という心の叫びを全身で表現しています。

そのため、保護者様に求められるのは「受け止める」こと。
とはいっても、毎日何回も繰り返されてしまうと、保護者様も疲弊してしまいますよね。

そこで、本記事では、癇癪を園や支援施設でもサポートしてもらえる方法をお伝えします。

*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。

子どもの癇癪の施設への伝え方

子どもの癇癪に四六時中向き合うのは、保護者様にとっても大きなストレスとなる場合が多いです。
そこで、幼稚園や保育園、療育などを上手く使って、保護者様自身がリラックスできる時間を確保することも、癇癪と向き合うためには大切です。

では、園や支援施設には、どのようにお子さまの癇癪を伝えたらよいのでしょうか?
癇癪が起こる前に伝えておきたいことと、起こったときにどうするか、その他の3点に分けてご説明いたします。

①癇癪の前に

園や支援先では、保護者様ほどは、子どもの特性や癇癪のきっかけを把握できていない場合があります。
「何が起きると、どんな行動をするのか」「どうすれば落ち着きやすいか」を整理して伝えておくと、支援先でも対処がしやすくなります。

伝えるポイントは、

  • 具体的な癇癪が起こるきっかけとその行動
  • 落ち着きやすい対応
  • 逆に悪化するNG対応

の3点です。

癇癪は事前準備や環境調整で予防できることがあります。
特に、園の行事等で新しい環境になるときには、前もって予測できる癇癪ポイントとその原因、対処を伝えられると、お子さまも落ち着いて過ごせるかもしれません。

②癇癪が起こったとき

事前に対策しても、原因不明で起こってしまうのが癇癪ですよね。
その場合に備えて、まずは園・支援者と、家との「対応ルール」をそろえてみましょう。
家庭と園で対応が大きく違うと、子どもが混乱しやすくなり、かえって癇癪が増えることがあります。

前回にご紹介した対処法であれば、

  • 癇癪が起きたときは、5分は見守りだけで声掛けはなしにする
  • 終わりを予告する時は、「1分前ルール」を統一する
  • 代替行動としてわたすシールを同じにする

などが実践しやすいのではないでしょうか。

また、園や支援先で癇癪が起きたときの対応やきっかけを、共有してもらうことも大切です。
家ではまだ見つかっていなかった癇癪の原因や、対処法を園や支援先と共有していくことで、保護者様の対応も楽になるかもしれません。

 

③その他

上記のような協力関係を築くためにも、普段からの園や支援先とのコミュニケーションが大切になってきます。
気になることがあれば、小さなことでも連絡帳に書いたり、相談してみることで、難しい場面に直面した際にも連携が取りやすくなっていきます。

親同士のサポート

以上のように、ご家庭だけでなく、園や支援先ともうまく連携していくことで、お子さまの癇癪への理解と保護者様自身のメンタルサポートになる可能性があります。

また、それ以外にも、地域での親同士の支援プログラムやピアサポートというコミュニティに所属することも、一つの支えとなります。

ピアサポートでは、同じ障害や特性の子どもを持つ親子で集まり、悩み事の共有や支援情報の共有などが行われています。
最近はSNSなどで発信する団体も多くなってきているので、ご自身の地域の活動を一度検索してみるのも、良い気分転換になりそうですね。

他にも、言葉での表現が難しい場合は、言語聴覚士などの専門家にトレーニングやアドバイスをお願いすることもできます。
ご自身にあった方法を探りつつ、保護者様のストレス削減も上手くできればと願っております。

まとめ

癇癪中のお子さまを見るのは、保護者様にとっても辛い経験だと思います。
どうしてもご家庭での時間は多くなってしまいますが、施設やピアグループ、専門家に上手く頼りながら、癇癪と付き合っていくことができればと思います。

お子さまが気持ちを表現できる方法を手に入れると、少しずつ、しかし確実に癇癪は減っていきます。
その時まで、どのように付き合っていくか、その一助になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。弊社でも、お子さまにまつわる小さなお悩みから、相談を随時承っております。
気になることがございましたら、お気軽にお申し付けください。

 

【参考文献】

川村立,「無発語自閉スペクトラム症児1例のCOVID-19環境下での 他職種連携を通じた支援 〜自己刺激行動を代替行動分化強化へ高次化した取り組み〜」,2025,リハビリテーションと応用行動分析学11(0),5-9
當眞正太,城間園子,「強度行動障害のある児童の伝える力を高めることを目指して -環境の調整と関係性の形成を中心とした関わりから-」,2024,高度教職実践専攻)教職大学院)紀要8,89-100
中山文子,「親支援プログラムの成果と課題:地域における助け合い・育ち合いの実践」,2018,地域総合研究19(1),95-107

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埼玉県川口市で児童発達支援・放課後等デイサービス多機能型事業所を運営しております。
未就学および小学生低学年の課題のあるお子さまに「療育×テクノロジー」をテーマに療育をご提供しています。
エコルドグループの特色である未就学のお子さまを平日17:30までお預かりしていることで保護者さまから喜ばれております。

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