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エコルド川口教室代表野口×PECS導入実践者の上田さんの対談~前編~

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こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。

これまでの記事では、PECSについてご紹介してきました。
弊社でも導入を見据えて、尽力中です。
導入に向けての動きの一つとして、PECS導入実践者の上田さんと弊社代表の野口との対談の様子を、前編後編に分けてご紹介いたします。

本記事では、以下の項目のうち、前半の「3.PECS導入背景と課題」までを取り扱います。

1.対談者の紹介
2.対談概要
3.PECS導入背景と課題
4.PECSの効果と実践方法
5.PECS導入に向けての環境整備

せひ後半の記事も合わせてお読みいただければ幸いです。

*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。

 

1.対談者の紹介

・野口竜一(エコルド川口教室 教室長/代表):公認心理士。エコルドの「療育×ICT」「二次障害にさせない社会づくり」の理念に共感し、生まれ育った川口市に療育施設を立ち上げた。長年の対人援助職としての経験から、「支援者がクライアントのことを理解し通じ合うことができると、お互いの関係は治療的に働く」ということを確信し、教室運営においてもお子様の理解を第一に考えて運営している。

*野口のインタビューは、こちらのURLよりさらに詳しくご覧いただけます。
https://www.business-plus.net/interview/2412/k9281.html

・上田治彦(社会福祉法人ライフサポート協会理事):大阪市にある同法人にて、高齢者・障害者・障害児の支援に携わりながら、自閉症スペクトラム障害についての啓発運動などの人権活動にも意欲的に取り組み続けている。法人内の職員のための環境整備だけではなく、法人外の様々な福祉関係者との連携を分野を超えて行うべく、全国ネットワークの構築にも尽力されている。

*上田さんの活動についての記事は、こちらのURLよりご覧いただけます。
https://withnews.jp/article/f0200716002qq000000000000000W07n10101qq000021480A

・るり:今回の対談の進行を務める。本記事の作成者。ダウン症の弟がいる3兄弟の長女。障害者福祉分野におけるガイドヘルパー、ショートステイ職員として5年勤めている。その他にも塾講師やライター、地域福祉事業の広報コーディネーターなどの複数の仕事を掛け持ちしているパラレルワーカー。

 

2.対談概要

これまでにご紹介してきたPECS導入に向けての最初のステップとして、弊社代表野口と実際にPECSを事業所に導入して支援を行っている方との対談を企画しました。
・企画の背景:野口は、コミュニケーションの課題を抱える子どもたちへの支援方法を模索し続けていました。その一つの方法としてPECSに出会い、導入を検討していたところ、筆者(るり)が先駆者である上田さんを紹介し、対談が実現しました。
・対談概要:上田さんは、PECSがコミュニケーションツールとして効果的であることや、継続的な実践と家庭との連携が重要であることをお話ししてくださいました。また、スタッフの教育や保護者との協力体制の構築についても具体的な方法をお伺いすることができました。
以下では、その対談の様子をトピックごとに再構成してまとめています。
「PECSって結局どうなの?」
「家庭では何ができるの?」
そんな疑問をお持ちのみなさまにこそ、お読みいただければ幸いです。

 

3.PECS導入背景と課題

(以下、敬称略)

るり:まずは、軽く自己紹介をお願いします。その後PECSについてお話しできればと思います。

野口: じゃあ、私の方から。Nフロー企画という運営会社で、代表をしています野口と申します。
教室名がエコルド川口教室と言いまして、教室開いてから、丸2年と1ヶ月ですかね。

特徴があってですね、児童発達支援と、放課後デイサービスの複合型なんですけれども。
エコルド本部の考え方として、早期療育を提供するというところがあるので、それに共感して開きました。

あともう1つ、児童発達支援で、6時間児童をお預かりしているっていう、その長さがですね。
今のところ他にはないなっていうところが特徴だと思います。
簡単にお伝えするとこんな感じです。

るり:ありがとうございます。それでは上田さんもお願いできますか?

上田: はい。大阪市の方でお子さんから大人の障害のある方、そして介護保険含めた福祉サービスをやっております、社会福祉法人ライフサポート協会の上田と申します。
私は、障害のあるお子さんの施設の管理者をしてまして、 その中で、PECSを取り入れた支援をやっています。
もちろん、お子さんは(年齢を重ねるとサービスから)卒業するので、成人の方でもそういうコミュニケーション支援の力を入れていこうという風にして進めていってます。
様々な研修を企画してるので、全国の方と繋がって一緒に学んだりとかしながら。
支援者だけじゃなくて、保護者さん、支援者、教育、医療と繋がって学びを深めていくというか、学びを継続していっている最中です。

るり: ありがとうございます。では野口さんから何かご質問があればお願いします。

野口: はい、やっぱり自閉症のお子さんにとっては、言葉が1番の課題で。
保護者さんも喋れるようになってほしいっていう期待があり、こういう施設に来られるんですよね。
色々調べてみても、「言葉のシャワーを浴びせるんだ」っていう、その一言で終わることもあって(笑)。
実際に教室の集団プログラムやスタッフからの働きかけでお子さんはだんだん話せるようになるのですが、
もうちょっと技が欲しいなと思っているんですよね。
再現性があるというか、誰でも、誰がやっても、話せるようになるとか。
話す話さないは、もうその児童本人次第とは思ってるんですけれども。
とは言っても、何かいい方法ないのかな?今いるスタッフでなんかやれることってないのか?なってずっと思ってて。

上田: めっちゃいいですね、 そういう野口さんと出会えるお子さん。
言葉のシャワー浴びせるぞ!で終わっちゃう人はいっぱいいてはるんですけど。
やっぱそれも大切やと思うんですけど、それだけじゃないんですよね。

野口: そうですよね。

「言葉をしゃべるには?」って、言語聴覚士さんが読みそうな本とかも色々読んだんですけど。
なんか(言語聴覚士ではない職員)みんなでやれるものってなかなかない。
そういう状態で、PECSを適用する場合、 はたしてその日1時間だけやればいいのか、それともずっとやるのかとか、毎日やるのかとか。
そういうやったことない人にそういうのをやってもらう、コツとかあるんでしょうか。

継続しないと意味がないんだろうなって思うんですが。
こういう運用の仕方もあるよというのがあれば教えていただきたいと思っています。

上田: はい、一応最初言っとくと、 確実に理想は毎日です。そして継続。
これは別に事業所だけじゃなくて、学校行けば学校とも連携、家との連携。
まずはやっぱ家庭やなと思うんですけど。
というところをおさえると、その子の力は確実につきます。確実にです 。

何か欲しいものに手が出るとか、見るとかいう力があれば、PECSを通してコミュニケーション力がつくので、まず最初その力さえあれば、っていう。

野口:そうなんですね。なるほど。

上田: 要はトレーニングですね、PECSっていうのは。
手段をトレーニングしていくっていうのは、すごく大切な考え方になる。

保護者さんからすると、言葉が1番の課題で。
喋ってほしいという期待を込めて来られる方がうちもめっちゃ多くて。

いっぱい言葉が出るやり方はあると思うんですけど。
PECSは絵カードなので、絵カードで写真を渡したり、ipadで、自分で文章作って渡したりするんですけど。
渡すっていうのが、伝えるってことですね。

で、よく「それで言葉なくなるんちゃうか」って言う方がいてるんですけど(笑)。

実は言葉を添えてトレーニングするので、言葉が出る方がまあまあいてるんです。
要は発語が増える。

なんで発語が増えるかって言ったら、伝わるので。
カードとか写真とか文字とかで。
そうするとこう、意欲に繋がって、「なんとか言葉でも」みたいな(風に子どもがやる気になってくる)。

なので、野口さんが療育の中でPECSをやってみようってなったのは、すごくいいなと思います。
しかもこれは、何歳になってからもスタートできるんですね…(後半へ続く)

 

前半の記事はここまで。
後半の記事ではさらに具体的なPECSの効果と実践方法、そして導入についてご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

前半のまとめ

絵カードで写真を渡したり、ipadで、自分で文章作って渡したりするんですけど。
渡すっていうのが、伝えるってことですね。
よく「それで言葉なくなるんちゃうか」って言う方がいてるんですけど(笑)。

要は発語が増える。
なんで発語が増えるかって言ったら、伝わるので。

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