相談支援事業と地域包括支援センター
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。
これまでの記事では、主に知的障害者の結婚に着目して、様々な支援をご紹介してきました。
今回は、その支援の一つである「相談支援事業」と「地域包括支援センター」について、障害分野に着目してまとめます。
また、最後に私の母と友人の実際に利用し、提供している立場からの声をご紹介します。
なお、相談支援事業と地域包括支援センターの大まかな違いについては、前回の記事でまとめています。
よって、本記事ではより細かい部分と具体的な利用例についてご紹介いたします。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
目次
相談支援事業と地域包括支援センターでできること
相談支援事業・地域包括支援センターでできる具体的な内容は以下の通りです。
- サービス利用計画の作成支援: 必要な福祉サービスを適切に利用できるように計画を立てる。
- 福祉サービスの利用援助: 必要なサービスをスムーズに利用できるよう支援する。
- 権利擁護: 障害者の権利を守り、不当な扱いを防ぐ。
- 社会生活力の向上支援: 障害者の自立した生活を支援するために、社会資源の活用を促進する。
- 専門機関の紹介: 必要に応じて、適切な専門機関に繋ぐ。
- 地域全体での支援体制の構築: 地域自立支援協議会と連携し、地域全体で障害者の支援に取り組めるように体制を作る。
これらの相談において、親は障害のある子のニーズを考えて相談することが多いようです。
ただ、親自身のニーズや支援についての関心は低く、今後より強化されていくことが期待されています。
もちろん、実際に相談する際に、親自身の困りごとについても相談することも可能です。
実際の声
実際に利用している私の母と、実際に提供する立場の方と働いている友人の声をご紹介します。
私の母の話
相談支援事業は、ダウン症の息子(私の弟)のために利用したことがあるそうです。
その際は、移動支援の手続きを進めるために、市役所との連携を図ってくれるなど、利用者の要望に応えてくれたと話していました。
また、地域包括支援センターについては、知的障害についての事例ではないのですが、祖父のために利用したことがあるそうです。
その時は、急遽必要になった車いすを、無料で貸し出してくれたとのことでした。
物理的な支援の要望にも答えてくれて助かったと話していました。
このように、相談支援事業や地域包括支援センターへ相談することで、具体的な支援に繋がっていきます。
福祉課に勤めている友人の話
社会福祉士の資格を持った市役所の福祉課で働く友人にも聞きました。
市役所の福祉課でも、様々な支援ニーズに寄り添ってもらえます。
その繋がりの中に、今回ご紹介した相談支援事業と地域包括支援センターが存在しています。
彼女によると、支援を必要としている人が自ら相談することが少ないと感じているそうです。
その背景として考えられる要因が
・そもそも相談支援事業や地域包括支援センターを知らない
・当事者に困っている自覚がない
というものを挙げてくれました。
本記事によって、まずは障害を持つお子様がいるご家族の皆様に、相談支援と地域包括支援センターのことを知っていただければ嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エコルド川口教室でも、ご利用の際にお子様に関する相談を受け付けております。
小さなことでも、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
【参考文献】
- 植戸貴子,「中高年知的障害者と高齢の親の同居家族への相談支援 :障害分野と高齢分野の有機的連携 相談援助職に対するアンケート調査」,2020,神戸女子大学健康福祉学部紀要12,1-24
- 野田 秀孝,後藤 康文「障害福祉分野におけるコミュニティ・ ソーシャルワークに関する考察 -障害者総合支援法を題材に」,2013,富山大学人間発達科学部紀要8(1),117-127
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