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障害児・障害者と性教育③

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こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。

ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。

 

前回の記事では、知的・発達に障害を持つ方が、性に関する課題を持つ場合があることをご紹介いたしました。

本記事では、より具体的な性教育の手法について扱います。

 

*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。

 

 

性教育をお子様にする前に

 

お子様に性教育をする前に、まずは保護者の方自身が性について、改めて学ぶ必要があります。

特に異性のお子様を持つ場合は、ご自身が経験しない成長である、射精や月経についての理解は十分でしょうか?

また、同性の場合でも、一人一人悩みは異なるものです。

ご自身では気づかれていない困難さがあるかもしれません。

 

これらの情報については、書籍だけでなく、現在はインターネット等でも得ることができます。

ただし、中には誇張された表現なども紛れていることがあります。

また、得られた情報が全てお子様に当てはまるわけではなく、個人差があることを心に留めて取り組むことが必要です。

 

 

障害児への性教育の具体例

 

前回の記事との重複がありますが、具体的な課題とアプローチを以下にいくつかご紹介します。

 

(1)性器いじり・性器露出・マスタベーション

まずは一人一人にプライベートゾーンという、不用意に人に見られたり、触られてはいけない場所があることを伝えてみましょう。

絵を用いて伝えることが視覚的にわかりやすいと考えられます。

 

性器いじり自体は、健常な発達段階として見られる行動です。

しかし、その様子を人に見られるのは望ましくないことを伝えます。

例えば自室やトイレなどのプライベート空間で、一人でならOKというようにルールを定めるのもよいでしょう。

 

また、マスタベーションについては、清潔な状態で行わないと危険があることや、正しい方法を伝えることも重要です。

中には自分自身を傷つけてしまう恐れもあります。

できるだけ安全な方法で、一人の時に行えるように伝えられると安心ですね。

 

(2)射精・月経などの生理現象

二次性徴については、学校教育の中でも保健として学ぶ機会はありますが、具体的に何が起こるのかについては触れられない場合も多いです。

まずはそれぞれの生理現象について、正しい知識を伝える必要があります。

 

男子の場合は夢精に驚く場合もあると思います。

誰にでも起こること、どうやって対処するかを話し合う場が必要となるでしょう。

女子の場合はナプキンの付け方や必要性について、体調の変化についても知ってもらえると良いでしょう。

 

(3)異性への干渉

プライベートゾーンの時と同様に、どんなことをすると他の人からはどう思われるのかなどを、絵カードなどを用いて伝えてみましょう。

実際に課題を感じた場面について、振り返りながら伝えてみるのも良いかもしれません。

 

具体的な対処としては、気になったら他の事に気を向ける練習をしてみるのも、一つの解決策となりうるかもしれません。

 

 

(4)性交渉

性交渉についても関心を持ったり、学校やSNSで見聞きすることがあると思います。

 

性交渉は同意が必要であったり、感染症のリスクがあることなどをわかりやすい方法で伝えることが大切です。

そのうえで具体的な避妊の方法についても触れ、相手と自分の身を守る方法も伝えることができれば良いですね。

ただし、性については定型児の場合でも、多くの保護者様が悩む場面です。

考えこまずに、専門家の意見や身近な支援者のアドバイスを仰ぐのも良いのではないでしょうか。

 

また、性衝動に代わる発散方法を考えることも一つの解決策になりうるでしょう。

スポーツや夢中になれる趣味を見つけることがその例に当たります。

 

障害児への性教育における注意点

大切なのは、お子様の発達状況に合わせ、曖昧な表現を避け、できるだけ伝わりやすいような情報にするということです。

扱う内容がセクシュアリティにまつわるもののため、なかなか口に出しにくいと思います。

しかし、ぼかした表現にすることは、お子様にとってわかりにくく、かえって誤解を生む可能性があります。

 

特に障害を持つお子様の場合は、表現を優しいものに変えながら伝える必要も出てくるでしょう。

最近ではこれに特化した、障害児向けの性教育教材も販売されているようです。

他にも、幼児教育向けの性に関する絵本なども活用できるのではないでしょうか。

いずれの場合でも、お子様の興味、発達と特性に合わせて最適な方法を探してみることが必要となってくるでしょう。

 

一方で、ご自身の性事情については、無理に共有する必要はありません。

親子でもプライバシーがあることは、お子様にとっても一つの学びの機会ともなります。

あくまで一般的な話として、お子様とお話してみるのはいかがでしょうか。

 

弊社でも、ご利用の際にお子様についてのご相談を承っております。

どうぞお気軽にお声掛けください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

【参考文献】

 

  • 小畑 伸五,鶴岡 尚子,古井克憲「知的障害特別支援学校における性教育の実践課題 : 卒業生を対象としたインタビュー調査を通して」2022,和歌山大学教育学部紀要. 教育科学72,65-70
  • 兒島由佳, 山崎仁寛, 島宗理「D-11 絵カードと身体的ガイダンスによって性器いじりの場所を限定する指導ー小学部一年生の知的障害がある自閉症児を対象としてー」2012,日本行動分析学会年次大会プログラム・発表論文集,79

 

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未就学および小学生低学年の課題のあるお子さまに「療育×テクノロジー」をテーマに療育をご提供しています。
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