障害児・障害者と性教育②
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。
前回の記事では、お子様の性に関する発達段階についてご紹介いたしました。
本記事では、より具体的な性に関する課題について扱います。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
障害児・障害者の性に関する課題
前回の記事では、障害の有無に関わらず、お子様は二次性徴の頃に性への関心を抱くことをご紹介いたしました。
ただ関心を持つだけではなく、中には周囲から見て課題だと感じる行動をとる方もいらっしゃいます。
例えば、私がガイドヘルパーとして同行している際に出会った性的な行動、課題には以下のようなものが挙げられます。
- トイレの後に性器を露出したまま出てきてしまう方
- 生理用のナプキンを嫌がり下着を汚してしまわれる方
- ヘルパーに対して性的な接触を試みようとする方
- 近くにいる異性に手を伸ばそうとする方
- 近くにいる異性をずっと眺めてしまう方
私がご一緒する方は、主に知的障害、自閉症をお持ちの方が多いです。
年齢層は様々で、10代から30代の方にこのような行動をされる方もいらっしゃいました。
もちろん、これは一例であり、全ての方に当てはまるわけではありません。
また、特定の方でも毎回このような行動を取られるわけではなく、何かのきっかけで起こっていることもあります。
その背景には、環境によるストレスなどの影響がある場合もありました。
性教育の必要性
ご紹介したような行動によって、周囲の方を困惑させたり、時に白い目で見られてしまうこともまた事実です。
支援者がいる場合は、これらの行動から気をそらせたり、こういう場合にはこれはダメだとお伝えしたりすることもできます。
ただ、支援者や特別支援学校の教員が関われる時間・伝えられることには限りがあります。
また、近年ではネットやSNSなどを通じて、性に関する情報を得やすくなっています。
情報の受け手となるだけではなく、SNSなどを通じた性被害が起こっていることも、耳にされたことがあるかもしれませんね。
つまり、ご家庭で過ごす時間の中でも、性に関する安全性が脅かされている可能性が出てきているのです。
そのため、お子様の性の安全を確保するためにも、ご家庭での性教育の時間は不可欠だと考えられます。
次回の記事では、具体的にご家庭で実施できる性教育の方法についてご紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
- 河東田博「知的障害のある人の性に関する認知・理解と性教育」2023,浦和論叢66,1-18
- 小畑 伸五,鶴岡 尚子,古井克憲「知的障害特別支援学校における性教育の実践課題 : 卒業生を対象としたインタビュー調査を通して」2022,和歌山大学教育学部紀要. 教育科学72,65-70
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