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障害をもつ子どもの恋愛事情~幼児期・学童期~

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こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。

ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。

 

障害をもつ子どもも、成長するにしたがって、恋愛感情を抱くこともあります。

近年ではLGBTQ*やSOGI*という考え方で、様々な恋愛の形、あるいは恋愛感情を持たない場合もあると知られるようになってきました。

今回の記事では、マジョリティである異性愛を対象に、障害児の恋愛についてまとめます。

 

*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。

 

【注】

LGBTQ:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クィア(Q)などの略語。異なる性的指向と性自認(自分の性別認識とそれに関連する表現)を表す。

SOGI:LGBTQを包括する、性的指向と性自認を指す。姓の多様性をグラデーションで捉え、例えばアセクシャルのように性的指向が「ない」場合も含む。

 

親ができる恋愛サポート

まずは、障害児の恋愛において、親ができるサポートを紹介します。

 

(1)話し合える関係づくり

思春期前後のお子様は、障害の有無に関わらず特に繊細な時期です。
まずはお子様とのコミュニケーションを取りやすい環境に整えられるとよいでしょう。
普段から学校生活についてお話しできる時間があると理想的ですね。
また、学校の先生やママ友同士から、普段のお子様の交友関係について知ることもできるでしょう。

(2)お子様のニーズの理解

お子様と話す中で、悩みを共有されることもあると思います。
コミュニケーションの中でお子様が何に困っているのかを確認してみましょう。
残念ながら、現在の学校教育において、セクシュアリティに関する授業などの恋愛のサポートは少ないとされています。
そのため、ご家庭で個々の困りごとに向き合う時間が必要になる可能性があるでしょう。

(3)お子様の発達段階に合わせた支援を知る

…知的障害において、中軽度のお子様であれば、性加害・被害について、他者とのかかわり方について学ぶ機会を保護者様は求める傾向にあります。
重度の場合は、自慰などの性衝動を上手くコントロールする方法や、社会人としての公私でのマナーを学ぶ機会を求められる傾向にあるようです。
どちらも、保護者の方自身で学び、性教育をするということができれば理想ですが、そうでない場合は第三者の助けを借りることも考えられるでしょう。

 

私の弟の恋愛事情

私の弟の場合でも、話を聞いていると、複数人と交際しているようで、全員と結婚すると言ったりと、ほほえましいながらも少し心配になることもあります。

弟の知的な年齢はまだ幼児期にありますが、周りの子たちに影響を受けて、どんどん学んでいっているのだと感じます。

 

教育機関での恋愛教育

ただ、お子様の精神年齢や発達段階によって、どこまでの理解をしてもらえるか、という点は大きく異なるために、悩むことも多いですよね。

実は、知的障害児へ恋愛についての授業を展開している特別支援学校は、少ないというのが現状です。

その理由の一つが、個人差が大きすぎるという点です。

公教育ではどうしても個人個人にスポットを当てた授業は展開しにくく、さらにテーマがプライベートに関わるために、授業をしたくてもどうしたらいいかわからない教員が多いようです。

 

恋愛は「親離れ・子離れ」のチャンス

障害の有無に関わらず、お子様の恋愛事情との向き合い方は、難しいものですが、ここに向き合うことは、「親離れ・子離れ」の段階として必要なプロセスとなっています。

まずは、恋愛の話になればチャンスだと思って、少しずつお話ししていけると良いのではないでしょうか。

 

まとめ

以上のように、お子様をサポートする環境作りがまずは求められます。

しかし、実際に相談されてもどう対処したらよいのかわからない場合もあるかと思います。

あるいは、親ができることは限られていると感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、次回の記事では親以外による恋愛のサポートについてご紹介いたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

【参考文献】

  • 朝日新聞「SOGIとは?意味やLGBTとの違い、SOGIハラへの対策を解説:【SDGs ACTION!】」朝日新聞デジタル.SOGIとは?意味やLGBTとの違い、SOGIハラへの対策を解説:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル (asahi.com).2023年1月11日最終閲覧
  • 髙田 千鶴郷間 英世牛山 道雄「知的障害児への恋愛や交際をテーマにした授業の実施状況とその規定要因の検討」学校保健研究59(1),28-39,2017
  • 林真由美、荒木田美香子「障がい児者の性に関する実態調査ー保護者の性教育に対する意識および支援希望について」2008,日本公衛誌55(12),830-836
  • 松本和剛「成人期における知的障害者の「親離れ子離れ」における変化とその要因 ―「性と生」を学ぶ軽度知的障害のあるひとによる劇団活動を通して―」日本福祉大学大学院福祉社会開発研究 (14), 65-74, 2019

 

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