障害を持つ子とお留守番
こんにちは。ガイドヘルパーとして働いております、るりと申します。
ダウン症で重度知的障害を持つ弟がいる、姉でもあります。
身近に障害をお持ちの方にとって、一つの課題となるのが、「お留守番」だと思います。
まず、家から勝手に出ていかないか、危険なことをしないか、心配なことは多くあるのではないでしょうか。
そこで、本記事では障害を持つ子ども、特に発達障害、自閉症、知的障害を持つ子どもの「留守番」について
「留守番中の障害児へのサポート」「留守番までのステップ」「まとめ」
の順で気を付けるポイントを紹介します。
*本記事では、障害を社会モデルで捉え、社会側にある障害に自覚的になり、改善するように働きかけたいという願いを込めて、あえて「障害」と表記します。
目次
留守番中の障害児へのサポート
留守番中に起こりえるトラブルは何でしょうか?
例えば、火災などの大きなトラブルから、ケガなどの小さなトラブルも考えられると思います。
まずは、家の中で危険なものがないかを確認し、危険なものは手の届かない場所に保管するなどの準備が重要です。
また、困ったときの連絡先を記入したり、緊急時の場合はご近所さんのお力をお借りすることも視野に入れましょう。
普段からご近所さんとコミュニケーションが取れていれば、緊急の際にも助けてもらえやすくなるでしょう。
また、留守番の時間はできるだけ短く設定することも重要です。
留守番までのステップ
次に、お留守番までにお子様と一緒にどんな準備ができるかをご紹介いたします。
まずは一番気になる緊急時の対応についても、平時から一緒に練習しておくことが大切です。
お子様のできることに合わせて、例えば困ったときの電話のかけ方を練習してみるのも良いと思います。
また、大きなトラブルの際には、まず大きなトラブルにはどんなものがあるのか、そしてその時どうしたらよいかを確認しておきましょう。
実際に私の弟とは、
・火事になったらどうなるか(熱い、火が出る、煙が出る=焼き肉の時の煙などで説明)
・その時どうしたらいいか(隣の家にピンポンする)
などを確認しています。
時間については、特に自閉症の方にわかりやすいとされている「タイムタイマー」という時計を用いるのもおすすめです。
時計の読み方がわからなくても、視覚的にあとどれくらいでご家族が帰るのかがわかり、安心につながります。
最近ではアプリでも利用可能なため、タブレットを使えるお子様にはそちらもおすすめです。
また、留守番中のスケジュールを一緒に考えたり、文字やイラストなどで見える化しておくのもよいでしょう。
こちらも、一人でいる間の予定が見えることで、心の安定につながります。
以上のように、留守番に向けて準備をしつつ、何度か練習を重ねてみて、短い時間から留守番をしてみるのはいかがでしょうか。
まとめ
障害をもつ子どもであっても、健常児のお留守番とは大きく変わりません。
ただ、得意不得意はお子様ごとに異なってくると思います。
その特性に合わせた対策を十分に講じ、練習していくことで、お留守番ができるようになっていく可能性があります。
お留守番ができるようになると、ご家族の皆様の一人の時間が確保できるようになり、心の栄養補給に繋がります。
ただ、今すぐにはお留守番ができそうにない、特性的に難しい、という場合もありますよね。
その場合は、お留守番ではなくガイドヘルパーを利用してお子様も別々に外出することや、弊社などの福祉サービスの利用もおすすめです。
まずはご家族と離れる時間を体験していき、一人でも楽しく過ごせるスキルを磨いていくことが、お留守番への一歩となるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
⑴「重度知的障害者の地域移行に向けた取り組み」、大熊伸幸ら他3名、国立のぞみの園紀要4、75‐82、2011
⑵「発達障害児の視覚特性を活かし『絵カード』と『見通し表』を使用した2症例」、切上幸希ら他9名、日本視能訓練士協会誌52(0)、171‐181、2022
エコルド川口教室です
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