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インリアルアプローチとは?|子どもへの言葉かけのコツお伝えします。

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こんにちは。保育士ライターのつばきです。

 

皆様は「インリアルアプローチ」とはご存じでしょうか?

インリアルアプローチとは、「大人と子どもが相互に反応しあうことで、子どもの学習とコミュニケーションを促進しようとするのに有効なアプローチ」のことをいいます。

言葉の遅れや言葉の理解がゆっくりなお子様に対しても、「インリアルアプローチ」は有効といわれた論文も多数紹介され始めていています。

 

今回はインリアルアプローチとは何か?インリアルアプローチではどんな効果があったのか論文を使いながら説明していきます。

 

インリアルアプローチとは?|インリアルの原則と方法

インリアルアプローチとは、アメリカのコロラド大学のR.Weiss博士によって、当時の言語発達遅延幼児に対する言語指導の1つとして開発されたのがもととなります。その後、1980年代にコミュニケーションをベースとして、学習促進法として現在のような形で利用されています。

インリアルアプローチを利用する際、インリアルアプローチの目指す教育観や意識する原則や方法を理解しておくとより実践で使いやすいと言われています。

 

続いて、インリアルアプローチの教育観についてご紹介します。

 

インリアルの基本理念として以下があると言われています。

⑴どんな子どももコミュニケーション能力があり、話し言葉だけでなく、視線や表情、身振り等も含めてコミュニケーションの行動だと捉えます。

⑵指導は遊びという子どもにとって楽しく自然な文脈で行い、子どもの主体性を尊重しつつ、自発的なコミュニケーション意欲を促進する姿勢をとります。

⑶言語獲得は、一つの社会的な行為であり、現実に子どもは周囲の人tの相互作用を通じて自らの言語を構築していくものであるので、指導家庭も子どもと指導者の相互作用の過程と捉え、指導者の言葉も指導の方針や目的にも含まれます。

 

インリアルアプローチの特徴として、子どもにとって遊びの活動の中で無理なく行われることや、発語のみられない子どもに対してもインリアルアプローチが使えるので、広く療育現場で使われているそうです。

 

インリアルを理解するための原則として大人の基本姿勢というものがあります。

 

大人の第一の基本姿勢として、SOULで見守る事が大切であると言われています。

SOULとは、「Silence(静かに見守ること)」、「Observttion(よく観察すること)」,「Understanding(深く理解すること)」、「Listening(耳 を傾けること)」の4つの要素のことを言います。

 

SOULの姿勢をとることによって、大人と子どもがラポール形成を作り、相互のコミュニケーション状況が改善され相互の関係の発達が促進されると言われています。

 

第2姿勢として、大人がお子様に対して意味のあるかかわりをすることで発達を促すための言葉かけが必要となります。

 

インリアルアプローチを用いた言葉かけの例|言語心理学的な技法をご紹介

 

続いてインリアルアプローチをお子様にしていく際の言語心理学的な技法をご紹介します。

 

①ミラリング:子どもの行動をそのまま真似をします。

例えば、子どもが車を動かしたら、支援員や養育者も同じように車を動かしてみることがミラリングに当てはまります。

②モニタリング:音声や言語をそのまま真似をします。

例えば、お子様が「はー」と言ったら、支援員や養育者も同じように「はー」と言ってみるなどがモニタリングに当てはまります。

③パラレル・トーク:子どもの気持ちや行動を言語化します。

例えば、子どもの気持ちや子どもの行動を代弁するような声掛けをします。車を子どもが動かしている場合、「ぶっぶー走ったね」のような声掛けをすることが、パラレル・トークに当てはまります。

④セルフ・トーク:自分の気持ちや行動を言葉にする。

例えば、大人がしていることを説明する。「先生の電車もぷっぷー走るよ」と伝えながら車を走らせることもセルフ・トークに当てはまります。

⑤リフレクティング:子どもの言い誤りを正しく言い直して聞かせていきます。

例えば、お子様が魚を見た時に「たかな(さかな)」と発語したとき、直すのではなく「魚がいたね」と正しい発音を聞かせることもリフレクティングにあてはまります。

⑥エキスパッション:子どもの言葉の意味的、文法的に広げて返します。

例えば、1語文を発語するお子様に対して、「わんわん」と言っている場合、「茶色いわんわん」と返していくなど、2語文以上に広げて伝えていくような支援が考えられます。

⑦モデリング:子どもに新しい言葉のモデルを示していきます。

例えば、子どもがご飯を食べているときに、「もぐもぐごっくんだね」のように声掛けすることで言葉の使い方を暗に伝えていくような支援が考えられます。

 

以上7つの視点を意識して言葉かけをしていきます。

 

普段のお子様との関わりでの生かし方

 

では普段私たちはどのような時にインリアルアプローチを使っていけばよいでしょうか?

 

インリアルアプローチを日常的に使うにも、お忙しい保護者様にとって、子どもに対していつもこのような言語心理学的な声掛けをすること自体が負担になったり、丁寧に対応する時間を作ることも大変なご家庭もあるでしょう。

 

その場合、ほんの少し生活の中に自然な形で組み込んでいくのはどうでしょうか。例えば、一緒にお風呂に入るひと時に声掛けしてみる、一緒に10分程度遊ぶ中で子どもの様子をよく見てSOULの考え方を大事にしながら声掛けを工夫するだけでも良いと思います。

 

保護者様にとってもご家庭で過ごす時間はゆったりと疲れを癒す場でもありますから、無理せず、ちょっとだけでもアプローチ方法を変えるだけでお子様への影響はあると思っています。

 

まとめ

 

いかがでしたか?今回はインリアルアプローチと呼ばれる支援方法をお伝えしました。

これまでの内容をまとめます。

  1. インリアルアプローチとは、子どもの主体性を尊重しつつ、自発的なコミュニケーション意欲を促進する支援方法です。
  2. インリアルアプローチでは第一姿勢としてSOULの姿勢、第2の姿勢として言語心理学的な言葉かけを大切にします。
  3. インリアルアプローチをおうちで行う場合、保護者様の負担がないように無理なく行うとよいと思います。

 

これをお読みになった方にも、ご自宅だけで行うのが負担で、「おうちだけでできるかしら?」とご不安になる方もいるかもしれません。

そんなときは、一人で悩まず専門機関にご相談ください。

 

エコルドでも無料相談を実施しております。

何かありましたらお気軽にご連絡ください。

 

参考文献

内田芳夫・有村多代子(1985)発達遅滞児の言語指導に関する研究-インリアルによる事例報告 鹿児島大学教育学部研究紀要 人文・社会科学術

大園 孝子・金子 道子(2009)インリアル・コミュニケーションで自閉症児の合目的的行動を誘発した学生の学び (その2)-2日間実習実践記録分析一 鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要 Vol13:64~ 76

内田 芳夫・上国料 里美(2004)精神遅滞児のコミュニケーションに関する事例研究 鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 第56巻

 

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